緑のビロードがうねる。延岡市北浦町地下(じげ)地区に広がる段々茶畑だ。
北浦町は、五ヶ瀬町と並ぶ県北の茶の2大産地であり、町内に3地区ある茶産地の中でも、地下地区の茶畑は、日豊海岸を背にした緩斜面を巧みに利用して作られている。
等高線に沿って、ふんわりした緑の帯が幾筋も重なり合い、県北にこんな場所があったのかと思うほど、見事な景観を見せている。
ここはまた水はけが良いうえに涼しく、茶の栽培には欠かせない霧も多いという自然条件にも恵まれている。
地下地区の茶は、早出し茶として知られ、一番茶は他の2地区より早く、4月中に摘み終えた。
6月に入ると、今度は二番茶の生産で栽培農家は再び忙しくなる。
平成14年(2002年)、「第11回美しい日本のむら景観コンテスト」で農林水産大臣賞を受賞している。文字通り美しい畑の美味しい茶の産地である。