これからのうまいもの

 

 
 
おぐら代表取締役
甲斐 輝貴さん
 チキン南蛮
 おぐらの現社長の甲斐輝貴さん(58)は今もおいしいチキン南蛮に知恵をしぼる。「チキン南蛮は飽きられたんじゃないかと、私たちの間でも話になることがある。けれど、違うんですよね。いつもおいしいものを提供したいという思いがあれば、まだまだいけるんじゃないかと。おいしいものを届けたいという思いがあれば、消費者の心に届きます。その思いこそが、地元に愛され、地域から発信する第二、第三のチキン南蛮を生み出すのではないでしょうか」。
 45年間にわたって愚直に向き合ってきたというチキン南蛮に対しても、「チキン南蛮が今後、世界でも支持されるにはどうするかを思案した時に、まだまだ研究する余地があると思う。品質、安全性、おいしさ、エンターテイメント性など、お客さんに喜んでいただくための新しいチャレンジはいっぱいあると思います。期待以上のサムシングを提供できることを目標にこれからも頑張っていきたい」。その姿勢こそが、あすのグルメを作るのだろう。
 
   
 

JA日向畜産課係長
大堀 達也さん

 みやざき地頭鶏(じとっこ)
 地頭鶏は販売店網を少しずつ広げ、そして今回、フルコースの料理法を開発した。大堀達也係長(44)は「気軽に食べられるお店や販売網という点では、まだまだこれから」と課題を挙げる。そのうえで「食材そのものがおいしいので、これを気軽に味わってもらうために、もっと周知を図っていければ。おいしさを知って、地頭鶏と指名買いをしれる人が増えればうれしい」と抱負を語る。
 美郷町西郷区にあるJA日向のみやざき地頭鶏処理場では現在、1日250〜300羽を処理している。海野傑工場長(53)は「フル稼働すれば1日500羽を処理する能力があり、まだ生産調整している段階。県北での地頭鶏の浸透度はまだ低く、イベントなどを通じPRを展開しており、半年後にはピークに持っていきたい」と抱負。2年後には現在の3割増の20万羽を生産する計画という。

 

うみすずめ支配人
黒木 清幸さん
 門川金鱧(きんはも)
 金ハモは知名度アップ、販売網の充実と、課題は山積している。
 「ブランド認証されて知られる存在となり、自動骨切り機の導入もあり3割程度が地元で消費されるようになってきたが、浸透するにはまだ時間がかかる」と話すのは、門川漁協理事の黒田朝明さん(57)だ。
良質で安い韓国産の輸入増や県内の他漁協、瀬戸内海沿岸の産地が販売を強化してきたこともあり近年、鱧の価格は低迷。「10年前の価格と比べると3分の1しかない」という。そんな中で黒田さんは秋冬のハモに注目。「鱧は通常6〜7月がシーズンで、その時期を過ぎると価格が下がってしまうが、秋から冬にかけての鱧も脂が乗っておいしい。鍋やシャブシャブ用に浸透させるのも面白いかもしれない」と夢を描く。
 新鮮な鱧を堪能できる「うみすずめ」の黒木清幸支配人は「まずは、おいしさを知ってもらい、そのうえで気軽に食べてもらえるよう、販売体制を確立していければ」と力を込めた。
 

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