モクズガニ

 県北では、一般に「ツガニ」(単にガニとも)と言っています。県内では「ヤマタロウガニ(ガネ)」と呼ぶ所(宮崎市高岡町など)があります。
川の上流の谷川など、きれいな水に住みますが、ときには生息地近くの民家の庭先を這い回ることもあるそうです。

秋の産卵のときには川を下りますので、ガニかごを仕掛けて漁をする人もいます。 色は全体に黒っぽく、ハサミのついた腕の関節部分に文字通りモクズ藻屑)のような、黒っぽい毛が、もじゃもじゃ生えています。
もっとも、ゆがけば甲や足などは朱色になりますが、毛だけはそのままです。旬は秋です。

 日本の淡水に住むカニとしては最大級で、大きなものは足を広げると、30センチ前後もあります。県北の川ではふつうに見られますが、肺吸虫の中間宿主として知られており、生きたものを扱うには注意が必要です。ナマでさわらないようにして、塩ゆでして食べると、実に美味です。まず都会では味わうことはできないでしょう。
 以前に比べると、ツガニを見る機会は少なくなりましたが、県北の川では、まだまだたくさん生息しているといいますから、県北の自然に感謝です。

 

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