神楽を彩る彫り物(えりもの)

 

神楽宿と呼ばれる祭場の中心に、神楽舞の舞台となる二間四方の神庭(こうにわ=内注連)が設けられる。四方には注連縄と彫り物(えりもの)をめぐらせた神聖な場所で、神楽が舞われる間、関係者意外は立ち入り禁止となる。
彫り物のデザインは中央の鳥居、子授安産豊穣の「湯襷(ゆだすき)」、自然界の中央の土徳神、四方の木・火・金・水徳神等の切り絵が配され、神仏習合と陰陽五行の影響があることが分かる。前ページに並べた各地区のウサギの彫り物を見ても分かるように、ひとつひとつデザインが異なる。デザインは型紙を取って地区ごとに継承されていて、この違いを見て回っても楽しい。