木炭のさまざまな活用方法

宇納間備長炭でみやざき地頭鶏を焼く

炭火焼 司/延岡市船倉町

延岡市船倉町にある、みやざき地頭鶏料理専門店「炭火焼『司』」。みやざきブランド認証の「みやざき地頭鶏」がおいしい店として知られるが、この店を切り盛りする吉村栄幸さん(54)あおいさん(53)夫妻がほれ込んでいるのが宇納間備長炭だ。
備長炭は炭素成分が多く、逆に不純物が少ないため、燃焼時間が一般の木炭と比べて長い上に、臭いもない。また、燃焼時の水分発生が少ないので肉や魚がバリっと焼ける。さらに、遠赤外線効果で芯まで火が通り、みやざき地頭鶏のおいしさを引き出すのに、最適だという。
例えば、モモ肉の炭火焼は、強火で一気に焼くのがおいしい。一方、せせり、はらみ、砂ずり、つくねといった串焼きは、遠火でじっくり焼くのだという。こうした火の調整が自由自在にできるのも、宇納間備長炭ならでは。栄幸さんは「炭のはしり(ぱちぱちはじけること)がなく、火持ちも良い。いろんな炭を試したが宇納間備長炭が一番」とにっこり。あおいさんも「遠方からもお客さんが来てくれるが、みんな『おいしい。来てよかった』と喜んでくれるんです」と手ごたえを語っていた。

 

 

 店の前には『うなま備長炭』ののぼりが立つ 『炭火焼 司』の吉村夫妻

“焼く”だけではない。

布団や枕、木酢液、入浴剤などいろいろな炭の使われ方

 

 

 うなま備長炭から作ったインテリア(消臭剤)と木酢液。

ほかにも、木炭を使ったさまざまな商品が出回っている
(手づくり屋 北の郷で撮影)

布団や枕にも木炭が入った商品がある。

遠赤外線効果や消臭効果などが期待できるという
(ライフショップまつおかで撮影)

木炭はミクロの穴が無数にある多孔質構造となっていて、その表面積は木炭1グラムあたりテニスコート1面分もあるといわれている。この構造から、脱臭、調湿などの効果が知られていて、昔から活用されてきた。また、土壌や水質の改良に用いられることもある。ミネラルも豊富に含んでいて、水の中に入れたり、ご飯と一緒に炊くことで(白炭に限る)、雑味を取り除き、ミネラル分を放出させるなどの活用法もあるそうだ。
炭焼きの段階で出る煙を冷やして液体化した木酢液も、農薬代わりに使用したり、入浴剤として活用する人もいるらしい。近年では、炭の遠赤外線効果を活用しようと、粉末を綿に練り込んだ繊維でつくった寝具やパジャマなども出ていて、さまざまな活用法が広がっている。
睡眠環境診断士の松岡浩蔵さん(日向市財光寺、ライフショップまつおか)によると、炭などを入れた遠赤外線加工繊維は、遠赤外線の吸収・再放出特性が未加工の繊維より向上しているので、こうした繊維を使用した敷布団や掛け布団を活用することで、より快適な睡眠を得ることも可能という。松岡さんは「炭は消臭や調湿などの機能もあり、快適な寝室環境をつくるのに役立てることもできる。上手に活用できればいいですね」と話している。

 

うなま備長炭に関するお問い合わせは

 JA日向北郷支店(東臼杵郡美郷町北郷区宇納間213)

TEL:0982-62-6133

美郷町役場北郷支所(東臼杵郡美郷町北郷区宇納間401番地)

TEL:0982-62-6203