昔は池や沼でふつうに見られたタガメですが、今や絶滅危惧(きぐ)種になっています。 県北も例外ではなく、まったくといっていいほど姿を消してしまいました。 農薬や家庭排水などがその原因といわれています。
タガメはカメムシの仲間で、大きさは5~6.5センチほどで、水生昆虫としては最大最強です。 肉食で小魚やカエルなどを好んで食べますが、ときには自分より大きな獲物を捕まえることもあります。 色は羽のふちは茶色ですが、全体的には黒褐色をしています。
タガメは昆虫ですから足は6本ですが、前の左右の足はカマのようになっていて、先端には鋭いツメがあり、これで獲物を抱くようにして捕まえます。 そして、細いストローのような口を獲物に差し込み、消化液を注入し、肉を溶かしてから吸い取ります。 「水中のギャング」という異名をとるのもわかります。
こんなに強くてどう猛なタガメですが、環境の変化には弱く、池や沼が汚れたり、埋め立てられたりすると生きていくことができないのです。 昔は金魚鉢などで飼ったりしたものですが、今はそれもままなりません。
写真のタガメは、延岡市の「すみえファミリー水族館」で、飼育されているものです。 戻る
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