高速道路に期待するもの!

 延岡市長

首藤 正治

  

 日向市長

黒木 健二

  

延岡商工会議所会頭

九州中央自動車道建設促進民間協議会会長

延岡商工会議所会頭

清本 英男
延岡市では、雇用の拡大を図るためクレアパーク延岡工業団地第2工区への企業誘致や地場産業の振興等に精力的に取り組んでおります。
 高速交通網の整備は、こうした取組みに大いに弾みがつくものであり、大分・宮崎両県において医療関連産業の集積や雇用の創出を目指すメディカルバレー構想の推進にも大きな役割を果たすものと期待いたしております。
また東九州自動車道、九州中央自動車道がつながることで大分県や熊本県、宮崎県央部の観光地との所要時間が短縮され、県北地域を組み込んだ新たな観光ルートの確立も可能となります。
 さらに高速道路は災害時や救急医療時に市民の命を守る道として大変重要な機能があります。今年3月に発生した東日本大震災は未曾有の被害をわが国にもたらしました。被災地においては、依然として多くの方々が厳しい避難生活を送っておられます。
こうした中、内陸部を通る東北自動車道を背骨として、そこから沿岸の被災地へのルートを確保する「くしの歯作戦」が被災地の救援に大きく寄与しました。このことは高速道路が緊急時においてまさに「命の道」となることを証明するものであります。
一方、私たちの地域では大地震の発生や災害時において背骨となる道路さえ整備されていない状況です。市民の皆様が安全・安心に暮らせる地域づくりのために一日でも早く高速道路をつながなくてはなりません。
  高速道路は国民生活の向上、経済社会の発展のために必要な社会資本であり、また、東日本大震災の発生により、大規模災害時における「いのちの道」として、早期にかつ優先的に整備すべきものとして、あらためて認識されたところです。
また、高速交通網の整備は産業集積を高め、ビジネスチャンスを拡げる絶好の機会にほかなりません。交通インフラの整備によりもたらされる優位性を最大限に活用し、企業立地をはじめ、豊富な農林水産資源や観光資源を活用する広域的な連携による取り組みを、さらに推進してまいりたいと考えています。
しかし、県内の東九州自動車道の供用率は4割程度で、九州中央自動車道については2割にも達していない状況であり、1日も早い開通を目指して地域が一体となって、取り組んでいく必要があります。
また、高速道路ネットワークが結ばれることは、地域間の移動時間の短縮等による産業の活性化や観光圏の拡大などのプラス効果がある反面、都会への消費流出等による地域間競争にさらされ、地域に魅力がなければ単なる通過地点になってしまいます。
このような中、当市では、昨年8月に細島港が国の重点港湾に選定されたことから「細島港を核としたグランドデザイン」を策定し、東九州自動車道や九州中央自動車道とリンクした「九州の扇の要」としての優位性をもとに、地域の特性を最大限に活用した戦略的かつ魅力的なまちづくりを進めていきたいと考えております。
  30年におよぶ大分県側との運動がようやく実を結び、平成25年度には延岡~宮崎間が開通します。しかし、「佐伯~蒲江間」と「北浦~須美江間」が28年度以降開通の発表がありました。これを26年度に前倒しできるようはたらきかけの運動展開が必要です。そのことで福岡~宮崎間が26年度中に開通することとなります。
一方、九州中央自動車道は、建設促進運動は11年目を迎えました。御船~山都間はすでに着工しており、北方延岡道路も北方~蔵田間が27年度供用開始となります。しかし、山都~高千穂間と日之影~蔵田間は未だ基本計画のままであり、高千穂~日之影間のバイパス計画も着工に至ってない現状にあります。
昨今の経済状況や民主党政権による高速道路行政の基本的な方針から道路建設を取り巻く環境は、非常に厳しい状況下にあります。また、3月に発生した東日本大震災の影響による建設工事費の削減など予断をゆるさないものがあります。
本来、高速道路は国土の一体的で均衡ある発展の観点からも地域の産業の振興と活性化など地域再生には欠かすことのできない存在であります。さらに、観光の振興や物流の促進、そして非常時の救援物資や救急医療の搬送路として機能するまさに「命の道」であり、その整備は喫緊の課題であります。
国の財政運営が厳しい現状は十分理解できますが、将来に向けた安全・安心を早期に確立しミッシングリンク解消のため高速道路の早期完成を強く期待するものです。