林業従業者の若手ホープ

林業従業者の若手ホープ

 杉本 晃さん

 美郷町西郷区の中心地、田代から車で約20分、滝の内地区の標高約600メートルの町有林で、集材機(ウインチ)を操作する青年の姿があった。西郷区仮迫の杉本晃さん( 25)だ。

 父親・浩さん( 54)、それに先輩の矢野国明さん( 63)と3人で作業班をつくり、主にスギを伐採して、日向市東郷町にある耳川広域森林組合の木材市場へ搬送するのが仕事。

 伐採したスギの丸太を、浩さん、矢野さんがロープにくくりつけると、晃さんが集材機のレバーを操作して引っ張り上げる。スギ丸太専用のロープウェーといったところ。浩さんと晃さんとの距離は2、300メートルあり、互いにトランシーバーを使って連絡を取り合う。

 晃さんは、この道に入って3年目。まだ日は浅いが、経歴を聞いて少々驚いた。

 地元西郷村(当時)の小、中学校を卒業したあと、日向高校、さらに宮崎産業経営大学の法学部に進学した。卒業してすぐ林業の世界に飛び込んだ。子供のころから父親の仕事を見てきたから、抵抗はなかった。

「畑違いの仕事ですが、やってみるとおもしろいし、開放的な気分が味わえます」と、サラリ。「ただ冬は寒く、夏は暑いですし、危険を伴う作業ですから、ケガをしないよう心がけています」と、仕事には細心の注意を払っている。

 仕事は朝8時ごろから夕方4時ごろまで。昼弁当は母親・千里さんの手作り。休みの日は日向市内まで出て遊ぶか読書と、これまた両極端。何でも時代小説が好みとか。少年時代は野球と陸上をこなし、現在は地元のバレーボールチームで頑張るスポーツマンでもある。

 美郷町林業振興課で林政を担当している小松敏規さんは「晃さんは、西郷区の林業の若手ホープです。実はおじいさんの優さんを含めて親子3代の林業一家です」と、晃さんに期待を寄せている。

 西郷区の林業従事者では最も若い杉本晃さん、ご覧のとおりイケメン。ただいま彼女募集中とか。