ふるさと~千切り大根~

 千切り大根

日向市美々津 百町原地区

 

日向市美々津の百町原地区。毎年12月から2月の間は、せんぎり大根を干す風景が広がる。JA日向美々津千切部会(黒木美徳部会長、47人)が23ヘクタールの広大な畑で大根を作り、100枚以上もある干し棚にせんぎり大根を広げ、干す様は圧巻だ。

 この台地には、西側にそびえる尾鈴山から乾燥した風が吹き下ろし、せんぎり大根をみるみる干し上げていく。早いときでは1日で乾くので、真っ白いままで変色がないせんぎり大根が出来上がる。さらに、気温が零下になると、大根の中の水分が凍って商品にならなくなるが、この台地は零下にならない。乾燥した風が吹き、零下にならない百町原は高品質のせんぎり大根の生産地として名を馳せ、バイヤーが全国からやってくる。昨年はせんぎり大根130トンを生産し、1億円以上を売り上げた。

 畑から引き抜いた大根を洗って千切りにし、棚の上に均等にまいて干し上げる。ひとつひとつが本当の手作り。ここにも、ふるさとを感じさせる、冬の日向になくてはならない風景が広がっている。