アスリートタウン・ウオーキングロード

 
距離…9.7km
所要時間…3時間
消費カロリー…550kcal

『牧水短歌に触れる文学の道』

川のまち・延岡には、堤防や河川敷を活用したウオーキングコースがいくつかある。五ケ瀬、大瀬両川に挟まれた川中地区西部(大貫、野地、野田、西階各町)を囲む「アスリートタウン・ウオーキングロード」はその代表だ。
 延長9・7キロ。全線アスファルト舗装され、平坦な中にも、多少のアップダウンを取り入れ変化を持たせたコースは、ウオーキングに最適。五ケ瀬川分流公園、市民体育館、西階運動公園と駐車場もあり、好きな時に、好きな場所からスタートできる。
 市道西階通線と交差する延岡小東側信号、大貫町のゴルフ練習場付近など一部区間で注意が必要だが、全線走破しても大人の足で2時間半から3時間の道のり。天気のいい休日、リュックを担いで、のんびりと時間をかけて歩くのも悪くない。
 チャレンジしてほしいのが、郷土の歌人・若山牧水の短歌が刻まれた「牧水の距離標和歌」巡りだ。同コース中では、五ケ瀬川右岸10カ所、大瀬川左岸4カ所に設置されている。
 距離標は、河口や本川への合流点からの距離を示すもので、設置は200メートルごと。通常はコンクリート柱に距離が記されているだけで、距離標に牧水の歌を刻みモニュメント化しているのは、多感な小中学校時代を過ごした延岡ならでは。「石越ゆる水のまろみを眺めつつこころかなしも秋の渓間に」(五ケ瀬川右岸5キロ地点)など、いずれも「牧水と山・川・ふるさとの歌」(牧水とふるさとを語る会作成)から選定した。
 また、天下橋下からうぐいす団地(西階町)に抜ける遊歩道もユニーク。市土地改良区が管理する北幹線用水路にコンクリートの蓋をし、手すりを整備した。途中、高低差を利用して水を対岸に流すサイフォン(伏越)が、川底に確認できる。清流を泳ぐコイやアユの姿を眺めながら、先人の業に思いをはせるのも一興か。
 五ケ瀬、大瀬両川では現在、国土交通省が平成17年の台風14号水害に伴う激甚災害対策特別緊急事業で、河道や河川敷の掘削工事に取り組んでいる。
 その一環で昨年、地元代表らによる「五ケ瀬川野田地区川づくり検討会」を開催。亀井橋南詰を起点に五ケ瀬川右岸堤防上を天下橋まで行き、帰りは堤防より河川敷側に一段低い“小段”に整備する遊歩道を戻ってくる、往復約6キロのジョギングコースを設けることが決まった。
 小段の遊歩道は、平成21年度末完成予定。車の通行を気にせずに、誰もが快適で安全にジョギング、ウオーキングが楽しめる専用コースとなり、利用はさらに増えそう。
 現地には、開花期が長い河津桜(カワツザクラ)の苗を植裁する計画もあり、桜の名所としても親しまれそうだ。