森林セラピー基地
 

癒しのふるさと

ココロとカラダを癒す「ヘルツ・ツーリズム」への取り組み  〈西臼杵郡日之影町〉
森の持つ癒し効果を科学的に解明し、心身の健康づくりにつなげようという森林セラピーに、日之影町が取り組み始めて5年。今年、町制施行60周年を迎えた同町は「森林セラピーを包括的な地域振興につなげたい」と張り切っています。
森林セラピーは森林セラピーソサエティーが窓口となり、全国42カ所を森林セラピー基地・森林セラピーロードに認定しています。平成18年に全国初、九州 で唯一の森林セラピー基地に認定された日之影町は、さまざまな施策に取り組んできました。遊歩道整備をはじめ、日之影温泉駅にTR列車の宿や足湯を設置し たり、廃校跡を利用した宿泊研修施設「鹿川地区交流センター」を整備したりしました。その甲斐あって、昨年11月には、森林セラピー利用者が、町に申し込 んで訪れた正式な数だけで累計1万人を突破しました。
唾液の成分や血圧を計測することで、癒し効果が具体的な数値として確認できるのも、日之影町の森林セラピーの面白みのひとつですが、それがなくても、とに かく、目に入る緑や川の水の流れが美しく、景色を眺めているだけでも心が洗われるようです。ウオーキングコースは初心者向けから中級者、上級者向けまで6 種類が用意されていて、老若男女だれでも楽しめます。リピーターも多いようですし、まだ行ったことがない人も、ぜひ一度訪れてみてはどうでしょう。リフ レッシュできますよ。

 

 癒しの森の案内人

高見昭雄 代表(たかみ・あきお55才)

森林セラピーロードを歩く人たちを案内する

 

癒しの森の案内人は、森林セラピーロードを歩く人たちを案内する、有償ガイド。森林セラピーの意義や役割、効果などについて解説したり、コースの見どころや歴史などを紹介したりと、なくてはならない存在。現在は50歳代から60歳代の男女13人が案内人に登録していて、高見さんは、その代表を務めている。
自然の中を数時間歩き、元気を取り戻して帰っていく人たちを目の当たりにしているうちに「自然の中で生きていくことの大切さを改めて教えてもらった」と微笑む。
案内人の活動を通して「ここには都会にはない豊かさがある」と確信した高見さん。「地元で取れる食べ物や農業、産業などと結び付いた森林セラピーにしたい。」と意気込んでいる。

 

ウォーキングコース①

石垣の村 トロッコ道

 初心者コース 所要時間:60分 距離:2.5km

アクセス:日之影町役場から日之影大橋を右折し見立方面へ車で15分。

入り口に看板あり日之影キャンプ村から石垣の村を往復するこのコースは「日本の遊歩百選」にも認定されており、日之影川の清流の眺めや古い史跡などを散策できるとして、四季を通して親しまれています。時間のある方は、日之影温泉駅から戸川までの8・5キロにチャレンジしてみてはいかがですか。
【石垣の村棚田まつり】四月下旬、日之影神楽をはじめ、棚田コンサートなどの催しを行っています。平成17年には「宮崎県地域づくり顕彰」を受賞しました。


ウォーキングコース②

矢筈岳 トロッコ道

中級者コース 所要時間:120分 距離:7.0km

アクセス:国道218号沿い、「こんにゃく村」手前の看板を折れて直進後、看板に従い右折

昭和27年、高千穂営林署鹿川事業所の軌道として鹿川−八戸間に開通。この軌道の八戸から中川を結ぶこのコースは、高い山稜を通ることのない平坦な山道が続く静かな散策向きのコースで、矢筈岳など山水画を想わせる景観や秋の紅葉を楽しむことができます。
【中川チューリップまつり】4月中旬、中川集落内をゆるやかに抜ける林道沿いに2万本のチューリップが植栽されて、癒しの景観を演出する新たなスポットとして親しまれています。


ウォーキングコース③

見立遊歩道コース(周回)

初心者コース 所要時間:60分 距離:3.2km

アクセス:日之影町役場から見立渓谷方面に車で約50分北上すると英国館。さらに車で10分北上

あけぼの荘横の「水無平橋」を起点とした周回コース。珍しい植物や沢、手彫りの岩トンネルなどを眺めながら散策を楽しみます。さわやかな風の中で優しく揺れていた緑が秋になると見事な紅色に染まり、九州屈指の紅葉を楽しむことができます。
【英国館】旧見立鉱山(スズ)の経営者ハンスハンター氏が自らの住まいと技師の宿舎などのために建築した建物。写真や資料が展示してあり、平成13年には国の登録有名文化財に指定されました。


ウォーキングコース④

TR鉄道跡地散策コース

初心者コース 所要時間:50分 距離:2.2km

アクセス:日之影町役場から日之影大橋を左折。日之影温泉駅を経由し延岡方面へ車で約10分。吾味橋を渡ると看板あり

高千穂鉄道から無償譲渡された「吾味駅」〜「日向八戸駅」〜「八戸観音滝」間を「森林セラピーロード」として整備しました。線路には、駅舎、鉄橋、レール、枕木といった昔の姿をそのまま残しています。かつて、列車が駆け抜けた鉄道に思いをはせて、列車での旅気分を楽しむことができます。
【八戸観音滝】荒々しい断崖にある落差45メートルの滝。赤いコンクリートアーチ橋を渡って対岸の坂道を登ると中腹に洞窟があり、その中の3体の観音像は女人守護、開運の観音像として信仰を集めています。

 

ウォーキングコース⑤

癒しの森運動公園(周回)

初心者コース 所要時間:60分 距離:3.0km

アクセス:道の駅青雲橋から車で5分の平底村おこし屋を目印にGSを左折

森林セラピー基地拠点施設で、広々とした運動公園と森林公園内を、体調に合わせて自由に散策できます。外周3キロを目安にしてください。公園の入り口にはコミュニティ施設、園内には遊具施設、多目的広場などがあり、グラウンドゴルフやジョギングなどで汗を流すことができます。
【芝生広場】ピクニック、レクリエーションに最適。子供たちに人気の楽しい遊具施設も設置されています。子供と一緒にフィールドアスレチックで汗を流すのもお勧め。


ウォーキングコース⑥

九州自然歩道 丹助・矢筈岳

中・上級者コース 所要時間:90分 距離:4.0km

アクセス:国道218号沿い、こんにゃく村手前の看板を右折直進。途中看板に従い左折。

祖母傾国定公園の一角にある「丹助岳」は、新緑、紅葉の季節は特に自然の美しさを心から満喫できます。コース前半は、六峰街道などのスケールの大きな展望が開け、後半は丹助岳山頂の露出した岩峰を間近に望みながらの散策が楽しめます。
【丹助岳山開き】名勝として知られ、登山客が絶えない丹助岳。高城山と交互に、毎年4月上旬に山開きが行われます。また、丹助岳9合目には丹助岳キャンプ場があり、炊事施設、トイレなどが整備されています。