県北雑学ワイド 鹿川地区交流センター つりがね

 

木造校舎を改装した施設


延岡市街から車を走らせること1時間半あまり、山間の盆地に目指す建物はありました。日之影町の鹿川(ししがわ)地区交流センター「つりがね」です。
平成18年に閉校した鹿川中学校の木造校舎を宿泊できる社会教育施設に改装したもので、企業や学校の研修、サークルや団体のスポーツ活動などに活用されています。
校舎が建てられたのは平成6年と新しく、木造校舎といっても昔の画一的スタイルと違い、ペンション風の斬新なデザインです。外観だけでなく、館内もインテリア感が随所に見られます。玄関の吹き抜け、広い廊下や階段、明かり採りの天井と、明るくユッタリとした造りになっています。
設備は宿泊室(定員6人が5室)、研修室、会議室、交流ルーム、図書室、2つの浴室のほかコインランドリーも利用できます。もちろん体育館、グラウンド、プールも使えますし、少し足を延ばせば鹿川キャンプ場(延岡市北方町)もあります。


抜群の自然環境


「つりがね」は豊かな森と水にはぐくまれ、自然環境は抜群です。周辺には大崩山(1644㍍)をはじめ、鹿川渓谷、パワースポットの黒尊石(くろすみいし)、こしき岩、かんげ岩、名なし岩、田の中の岩やどんどん岩といった奇岩が点在し、澄み切った空気と渓流は、町中の喧騒を忘れさせてくれます。
日之影町は豊富な森林資源を存分に生かした「森林セラピー基地」に、九州で初めて認定を受け、森林浴や森林ウオーキングに訪れる人が増えています。上鹿川一帯も例外ではなく、中には都会生活を離れて、この地に住み着いた人もいるほどです。


夏は天然のクーラー


海抜480メートルの位置にある「つりがね」は、冬場はチョッと寒いけど、夏場は天然のクーラー、避暑にはもってこいの場所です。いえいえ夏だけではありません。春はサクラのピンクの花束、秋はモミジが山肌を朱に染め上げ「それはそれはキレイですよ。みんなに見せてあげたいくらいです」と、管理人の坂本久美子さん。
「営業期間は今のところ4月15日から10月15日までになっていますが、今年は4月初めから開いて、年間を通して営業できればと思っています」と、坂本さんは意欲的です。


大人1泊3,500円


利用料金は1泊大人3500円、中・高生3000円、小学生2500円、未就学児無料。食事(小学生〜大人)は朝食500円、昼食800円、夕食1000円。このほか各施設の利用料、団体利用料などが定めてあります。
延岡方面から「つりがね」へ行くには、国道218号線の北方町蔵田で県道237号線(旧国道218号)に入って五ケ瀬川沿いに走り、槇峰から今度は県道214号線を進みます。
五ヶ瀬川の支流・綱の瀬川沿いの曲がりくねった狭い道ですが、道中の景色はまるで水墨画です。名峰・比叡山や矢筈岳の足元がすくむような断崖、はるか下の渓流、まさに深山幽谷の絶景が展開されます。岩壁をくりぬいたトンネル、オーバーハングした“片トンネル”を抜けると、やがて上鹿川盆地が開けます。


すぐ西側に釣鐘山


「つりがね」は、盆地の中央を貫く綱の瀬川と西の内川に挟まれた段丘の上にあります。すぐ西側には、堂々たる三角形の釣鐘山(1396㍍)がそびえています。「つりがね」の名前は、釣鐘山から頂いたものだそうです。
綱の瀬川を境に西側は日之影町、東側は延岡市北方町になります。同じ上鹿川地区でも、日之影町側の児童は北方町側の上鹿川小(廃校)へ、逆に北方町側の中学生は日之影町側の鹿川中に通学していました。

 ♪「雲わきいずる大崩の 山なみ近くうちあおぎ・・・」。今にも生徒たちの校歌が聞えてきそうな、そんなたたずまいを見せる「つりがね」です。

 

 

 

 

お問い合わせ

住所 宮崎県西臼杵郡日之影町大字七折4892番地

☎・ファックス 0982-48-0160