遺跡、名勝、資料館(日向、門川)

国の登録有形文化財

大御神社(日向市日知屋)

日向灘の波が砕け散る岩陰に鎮座する大御神社は、天照皇大御神を祀(まつ)る。「日向のお伊勢さま」として崇敬厚い。神武天皇東遷の途中、参拝されたという伝説も。社殿下の磯には親・子・孫の「三代亀石」がある。社殿は国の登録有形文化財。すぐ東の岬は伊東氏四十八城の一つ「日知屋城」の跡、その北側は伊勢ケ浜。
境内の南奥、注連縄がかけられた大きな岩は、国歌にも詠(うた)い込まれている「さざれ石」(礫岩の一種)の「神座」(かみくら)。平成15年(2003)、境内拡張のときに見つかったもので、神座一帯は日本最大級のさざれ石群といわれる。
その神座のすぐ下から、ごく最近見つかったのが“龍の眼石”と呼ばれる卵型の石。近くに龍神伝説があり、それを証明するかのような石である。岩質は「転石」(てんせき)とされる。

 

国指定名勝

妙国寺庭園(日向市細島/妙国寺)

 細島の中ほどの高台にある大きな伽藍(がらん)が妙国寺。山門をくぐってすぐ右手が庭園。一見、どこにでもあるような日本庭園に思えるが、よく見るとかなり凝った造りになっている。
細島一帯に広がる柱状岩を巧みに利用し、池、中島、築山、橋、滝などを配置、水墨画を連想させる。築庭年代は不詳。昭和8年(1933)に国の名勝に指定された。

 

日向市指定有形文化財

本谷昭和橋(日向市富高)

日向市中心街から北西へ2キロほど、富高八幡神社と智古神社(チリ神サン)のすぐ前、富高川にかかる石造りの三連アーチ橋。昭和2年(1927)4月、門川町の石職人・小山宇太郎が設計・施工。長さ17.2メートル、幅2.8メートル。アーチ径間は5メートル、水面からの高さ約4メートル。門川町に産する凝灰岩を使い、寸分の歪みもない構造は、まさに芸術品。特に川面に映える姿が美しい。

 

門川町指定文化財

勝蓮寺天井画(門川町上井野)

門川町の国道10号線から五十鈴川に沿った国道388号線を車で約20分、同町上井野の西門川小、中学校のすぐ裏手にあるのが勝蓮寺。本堂天井にはめ込まれた板絵は見事。江戸末期、延岡藩主・内藤政義に仕えた絵師・岡部南圃(おかべ・なんぽ=1807~1873)と弟子の佐藤南巌が描いたもので、草花が忠実に表現されている。安政2年(1855)、南圃48歳のとき作で、現在106枚が天井を飾っている。あと50枚ほどあるが、傷んでいるため保管されている。