特集~高速新時代~
 
宮崎県北住民の悲願だった高速道路の整備が着々と進んでいる。ルートの沿線では、工事の槌音(つちおと)が高らかに響きわたり、あちこちでトンネル、橋梁などの巨大な構造物がその威容を現しだした。“陸の孤島”と揶揄されてきた県北民にとって高速道路は、広がった他地域との格差を埋め、企業立地や物流を促進させ、観光客誘致などを図る上で不可欠なインフラというだけでなく、防災や救急医療面でも大きな役割を果たす「命の道」でもある。高速道路新時代の到来を待ちわびた県北住民の期待は、日増しに高まっている。
 
東九州自動車道は、福岡県北九州市を起点に大分県、宮崎県を経て、鹿児島市に至る延長約436キロの高速自動車国道。そのうち、同道と一体となって機能する国道10号延岡道路(20・6キロ)を含む、佐伯IC(インターチェンジ)から西都ICまでの約139・4キロが、あと5、6年後にはほぼ全線開通する見通しになってきた。
 
 NEXCO(西日本高速道路株式会社)が整備している宮崎側との接続から見てみよう。高鍋¦西都間(12・1キロ)が当初予定より半年早い平成22年秋ごろに開通するのを最初に、門川ー日向間(13・9キロ)が平成22年度末の開通を予定。さらに、用地取得が順調に進めば都農¦高鍋間(12・9キロ)が24年度末、日向¦都農間(20・0キロ)が25年度末に開通する見通しで、26年3月末には、晴れて延岡¦宮崎間が一本の高速道路で結ばれる。
 
国土交通省が整備する大分県側との接続も順調だ。延岡道路の1工区、北川―延岡間(12・8キロ)が24年度末、新直轄区間の蒲江―北浦間(14キロ)も24年度末に開通する。北浦北川間(16キロ)と佐伯―蒲江間(20キロ)の開通時期は未定だが、すでに全区間で用地買収や工事に着手しており、そう遠くない時期に、宮崎県北に関係する東九州自動車道の全線が開通する。しかも、国土交通省が新直轄などで整備する佐伯―延岡南間(約66キロ)は無料で通行でき、料金を気にせずに各IC(蒲江、北浦、北川、延岡、延岡南)から自由に乗り降りができるのがうれしい。