高速道路新時代到来!

「陸の孤島」と揶揄されてきた県北にも、ようやく本格的な高速道路時代がやってくる。東九州自動車道のうち県北を通る区間は、平成25年度中に大部分が開通、延岡—日向—宮崎間が高速道路で結ばれる。東九州自動車道、九州中央自動車道の各工事区間の進ちょく状況、開通時期などを紹介する。

 

 


 

昭和41年「東九州自動車道促進協議会」設置


日本の高速道路は名神高速道路の滋賀県栗東(りっとう)IC〜兵庫県尼崎IC間で、昭和38年(1963)に開通したのが最初。宮崎県内は宮崎自動車道のえびのJCT〜高原IC間が昭和51年(1976)開通。昭和56年(1981)には、宮崎自動車道の全線が開通した。
一方、東九州の沿岸を貫く高速道路「東九州自動車道」は、沿線の福岡・大分・宮崎・鹿児島の4県と北九州市とで昭和41年に「東九州自動車道建設促進協議会」を立ち上げ、国に働きかけてきた。
さらに昭和54年、「東九州自動車道建設促進宮崎県央北部期成会」を設置、繰り返し陳情するなどして、ようやく実現に向けて動き出した。

最初に開通した延岡南道路


高速道路は構想から完成・供用までには、ハードルがいくつもある。予定路線→基本計画→整備計画→路線発表→中心杭設置→設計協議→幅杭設置→用地買収→工事→完成・供用というのがその流れ。供用までにはかなりの時間を要する。
東九州自動車道は、北九州市から鹿児島市までの436キロ。最初に開通したのは、将来、東九州自動車道の一部になる一般国道自動車専用道路の延岡南道路(6.1キロ)で、平成2年(1990)2月。あれから20年余、いまだ全線開通には至っていない。

国交省とNEXCOが事業推進


延岡南道路開通後、東九州自動車道は国交省(新直轄方式)とNEXCO西日本の二本立てで事業を進めることになった。現在、開通している所と工事中の所が〝虫食い状態〟になっているが、虫食い部分をつなげば、結果的に早く開通する。要は予算しだい。
平成23年3月末現在、436キロの45%にあたる195キロが開通・供用。さらに200キロ区間で事業(工事)が進められている。この200キロ区間に延岡〜佐伯間、日向〜都農間が含まれている。残る41キロは日南〜鹿児島県志布志間。ここはまだ基本計画の段階。早期全線開通目指すには、早く整備計画に引き上げる必要がある。

平成25年度、延岡—宮崎間が50分


工事が進む延岡JCT〜佐伯IC間59.4キロは、須美江IC〜北浦IC間の6.4キロ、蒲江IC〜佐伯IC間20.4キロを除いて、平成25年度までには完成、供用開始となる予定。
このうち国交省直轄の延岡道路(延岡南IC〜北川IC)は、国道10号のバイパス的役割を持っているため、国道10号の混雑解消も期待される。
NEXCO西日本が担当している日向IC〜都農IC間20キロも、順調に工事が進んでおり、平成25年度中に供用の予定。これより先に都農IC〜高鍋IC間12.9キロが来年度中に開通する運びになっている。
これで2年後には、すでに開通している延岡JCT〜日向IC間32.4キロを含む延岡I宮崎間が高速道路で結ばれ、現在はタップリ2時間かかるところを50分ほどで行けるようになる。延岡から宮崎空港へも、1時間半足らずで着く。

緒についたばかりの九州中央道


九州自動車道と東九州自動車道を結ぶ九州中央自動車道(九州横断自動車道延岡線)は、熊本県の嘉島IC〜延岡JCT間の96キロ。開通しているのは、延岡JCT〜北方IC間の8.5キロのみ。
残る区間のうち宮崎県側は北方IC〜蔵田IC間4.6キロ(開通目標は平成27年度)、日之影IC〜高千穂間IC5.7キロ、熊本県側は嘉島〜矢部間23キロで事業が進行しているほかは、いずれも基本計画区間になっており、早期に整備計画への格上げが望まれる。