特集「水の恵み」

県北特集第一弾は、「水の恵み」というテーマでお届けします。
私たちの住む県北を「水」という視点から迫ります。

プロローグ「水がある、人が憩う」
 宮崎は水の県だ。県北も年間2000ミリを超える雨が降る。日本有数の多雨地帯である。
九州脊梁山地に降った雨は樹々に集い、古生代の地層に浸透していく。雨に成長を促された樹々は大きな森となり、森は虫を誘い、鳥たちを呼ぶ。
 森から染み出した水は雫となり、いつしか一筋の流れとなって、踊るように谷を駆け下る。
 北へ向かった谷水は、やがて五ヶ瀬の流れとなり、南へ向かったそれは耳川の流れをつくる。互いに行く先は分かれても、いずれ二つの流れは東へ向きを変えて、日向灘へと注ぎ込む。 県北には、ほかに延岡平野に流入する祝子(ほうり)、北、沖田、日向市の塩見、赤岩、石並、門川町の五十鈴(いすず)、鳴子など、数多くの河川がある。これらは、県中・南部にかけて見られる隆起に伴う比較的単調な流れの必従(ひつじゅう)河川とは異なり、複雑な流路を呈している。
 水量豊かな県北の川は、魚たちを育み、電気を起こし、田畑を潤して、日々私たちの営みに計り知れない恵みをもたらしてくれる。
 水がある、人が憩う。県北は、こんなに素晴らしい自然をいただいている。


水に育まれた県北の動植物たち
ホタル
ヤマメ
モクズガニ
タガメ
サンショウウオ
テナガエビ

オオバネムノキコウホネ    

◆県北の水に育まれた環境

木を植える
滝、満々の水
堰(せき)を越える水
豊富な川魚
農耕用水
水と遊ぶ


◆表紙写真
旧・塔乃瀬橋(延岡市行縢町)